ここは何も降らない

泣いてる日は、手のひらで猫を作り口にそっと入れる

いのり

 

正月にやるテレビ番組はいつもつまらないし、もっと言えば大晦日の18時くらいからいろんなことがつまらなくなってくる。なんでかは分からないけど、理由はくだらないはずなのに大晦日もお正月も大きなイベントだから嫌になる。

 

6月に戻ろう、なにも考えなくていい日々に。冬は寒くて、雪があって歩きにくい。『うまく歩けない』なんてそんなニュアンスのセリフは言の葉の庭で聞いたものだった。

 

あの映画では比喩だった。だけど、『うまく歩けない』ことは、そのままの純粋な意味で雪の積もる現実で起こってることなんだと気づいた。いやになる、いやになる、いろんなことがいやになる。

 

散歩に出たいと時々思う。でも私が求めてるのは草の匂いや風の心地よさだ。冬が終わり雪が溶けると草の匂いがする、海が近いからちょっと生物チックな匂いもする。そういう世界が私の存在すべき場所くらいに思ってる。ひたすらに寒くて、お風呂に入ると足がおかしかったことに気づくような季節は早く終わることを祈る。